勉強方法

数学の定期テスト(模試なども)の結果から、勉強方法を見つける方法

学年問わず、使用できるテストの分析方法があります。

中学受験から大学受験まで使えますが、使いやすいのは数学です。

ただ、テストの点数を見て、これからは頑張ろう、ではダメなわけです。
また、子供たちは間違って理解することが多く、
「応用問題が解けなった」
「文章問題が解けなかった」
などと言ってきます。

そうすると、「応用問題」や「文章問題」に力を入れたらいいことになりますが、ほとんどの場合はそうではないケースが多いです。
確かに、「応用問題」や「文章問題」ができていないことは事実であるのですが、それ以前に問題でつまづいています。
本当の理由を見つける方法をお伝えします。

何ができていないのかを一番最初に見るところが2か所あります。
その2か所とは、「解ける問題の比率」と、「解ける問題の正答率(ケアレスミスをしない比率)」です。
私が学習塾を経営している時にもよく使っていた方法で、勉強の方向性をつかむのに有効な方法です。

その公式と、最初にみるその2か所についてお伝えいたします。

(解ける問題の比率)×(解ける問題の正答率)=テストの点数(テスト分析の公式)

多くの子供たち(特に中学生)によく起きる一つのシーンがあります。

~テストを受けた直後~
子供「今度の数学は90点くらいとれている」

~翌週~
子供「本当はできていた。でも60点だった」

よくあるシーンというのは、子供のテストが終わった時に言った点数に比べて、実際の結果がもっと悪いというケースです。
なぜ、このようなことが起きるのかというと、「わかる」と「できる」には差があるからです。
子供たちはこの部分の違いがわかっていないことがあります。

子供たちは、「わかっている」のは確かにわかっているんです。
つまり、解き方は知っているんです。

順に説明いたします。

「解ける問題の比率」とは、答案全体の設問に対する「解き方はわかっていた」問題の比率です。

「解ける問題の正答率」とは、「解き方がわかっていた」問題に対する「正解」の比率です。

次に具体的に数字を入れます。

テスト分析の公式の使い方

返ってきた答案、数学が顕著に出やすいと思いますので、数学の答案を用意してください。
手順は次の通りです。

①答案の全体の設問数を数えてください。
②答案のうち、あっているかどうかに関わらず、埋めた箇所の数を数えてください。(注:時間がないなどで、あてずっぽうで書いた箇所は除く)
③答案のうち、正解していた問題の数を数えてください。

(例)100点満点のテストで、テストが62点だったとします。その場合の分析方法です。

①テストの設問数が40問あったとします。(1問の配点が2点から3点程度だった、ということになります)
②埋まっていた設問数は35問あったとします。
③正解していた設問数は25問だったとします。

「解ける問題の比率」=①÷②=35÷40=0.875→約88%
「解ける問題の正答率」=③÷②=25÷35=0.7143→約71%
(当然0.88×0.71=0.62→62点に戻りますが、この2軸に分けることが大切です)

このことから、この子の場合は、「わかっている問題」は9割近くあるにも関わらず、正答率が7割程度のために「とれると思った点数」と実際の点数が異なることになります。

このように、ただのテストの点数を、「解ける問題」が少ないのか、「正答率」が低い(ケアレスミスが多い)のかを分析することができるのです。
多くの場合、「解ける問題の比率」よりも「解ける問題の正答率」が低いケースになりがちです。

「解ける問題の正答率が低い」場合の対策①→ワーク類の間違えた箇所にチェックをつけてミス0になるまで繰り返す

今の上のようなケースの場合、学校の授業などは十分わかっているし、小テストでも点数がいいことが多いです。
また、返ってきた答案をもう一度家で解くと90点近くとれて、「本当はできたのに」と言い出す子供も多いです。

ただ、ここが要です。
「わかる」と「できる」は違うということです。
その「できる」ためには、訓練して「正答率」をあげる必要があります。
数学は特に、ケアレスミスをいかになくし、早く正確に繰り返すことができるかどうかのテストです。

ケアレスミスをなくすためには、訓練が必要です。

一番いいのは、学校のワークでも、塾のワークでもなんでもいいのですが、次の手順を行います。

①計算問題などで間違えた箇所にチェックを付ける
②後日(翌日など)、間違えた箇所だけを解きなおす
③その後、再度間違えた箇所だけを解きなおす
④ ②③を繰り返して、完全に間違えなくなるようにする
⑤テスト前には特に2,3回間違えた箇所だけを問題集の試験範囲すべてを通して解きなおす

実は、ケアレスミスにはクセがあります。
こういう数字が出た時、こういう暗算をしたときなど、様々なクセや思い込みで間違えをします。

「解ける問題の正答率が低い」場合の対策②→ミスノートを作る

今、上のところで、ケアレスミスにはクセがあると書きました。
大きな流れでは、上の①の問題集の解き方でクセを治すのですが、テスト直前に行う方法があります。

ミスノートを作るのですが、これはどの科目でも有効です。
手順は次の通りです。

①テスト2週間くらい前から、ルーズリーフでもなんでもいいのですが、「ケアレスミス」をした部分を1枚の紙に書きためていきます。(A4 1枚裏表以内に収まるように)
②クリアファイルに入れて、いつも目にするようにします。(その試験範囲において自分がミスをするクセを自覚するようになります)
③テスト開始直前にそのルーズリーフなりノートを一通り見てからテストに臨む

この方法は数学に関わらず、自分がどういう問題で、どういうケアレスミスをしたのかを認識し、テスト直前も見ることでミスをなくすことができます。
実際、こういった方法をとることで、もったいない間違いはほぼなくすことができます。

もともと、ケアレスミスというのは性格の部分もありますが、自分がミスが多いと感じる場合は、こういったノートを作るとだいぶ変わります。

「解ける問題の比率が低い」場合の対策→スピードを上げる練習をする

ケアレスミスが多く、不器用な子ほど、「解ける問題の比率」をあげようとしてしまいます。
いくら「解ける問題の比率」をあげたところで、「解ける問題の正答率」をあげないと点数はあがりません。

今の例のように、9割、解くことができる力があっても、7割の正答率(ケアレスミスが3割)では、
0.9×0.7=0.63→63点

こういったケースが非常に多いのです。

もちろん、ケアレスミスが本当に少なくて、解ける問題の比率が低い場合もあります。
そういう場合は、解ける問題の比率が低い理由が「時間がなかった」ということです。

ケアレスミスが少ない子というのは、もともと慎重に問題を解くのですが、多くの場合、時間が十分にあったら本当は点数はもっととれるという場合もあります。
ケースとしては、解ける問題の比率が8割で、正答率が9割みたいな場合です。
そうすると、解いたところは殆どあっていますので、
0.8×0.9=0.72→72点

といったケースです。

その場合のスピードを上げる練習は次のように行います。

①一塊の問題(しかく1とか、しかく2とか)、大体10~15題くらいを解くときにその都度、ストップウォッチで時間を測ります。
②解き終わったら日付とタイムを書きます。
③間違えた箇所にはチェックを付けます。
④翌日以降にまた同じ問題を解きます。時間がどんどん短くなっていくことが理想です。
⑤本当に慣れてきたら1ページまるまる練習して、30分だったものが、25分、20分となっていく練習をします。

まとめ

テストの点数と、子供の認識している点数が違う場合の対策についてお伝えいたしました。
子供自身の認識と点数が一致するようになってくると、点数も上がってきます。

それは、自分の「わかる」と「できる」の違いについて認識ができてきているからです。

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