男子でよくあるのですが、何度言われても、学校で問題を起こす子がいます。
小学生が一番多く、座っていられない、他の子にちょっかいを出す、暴言を吐くということですね。
中学生になっても、同じことを繰り返す子もたまにいます。
兄弟がいると、割と両方の子が同じことを学校でやります。
もちろん、片方だけという場合もありますが、両方の兄弟がやるということは親に原因があるからです。
なぜ、その子がそういったことを繰り返すかと言えば、実は「親の厳しさ」から来ていることも多くあります。
「なんで、俺ばっかり」
学校から連絡を受けたりすることで、親も子供をしかります。学校でもしかられます。
そして、その子供は、
「なんで、俺ばっかり」
と言います。
つまり、自分だけがしかられている、という不公平感を常に持っています。
なぜ、そのようになるかと言えば、
客観的に自分を見ることができないまま、大きくなってしまっているからです。
自分が何をやっているか(他人に迷惑をかけていることも)わかっていないのです。
それではいくら注意されても治りません。
幼稚園児であれば成長の過程なのでまだいいのですが、これが中学生になると、少しタチが悪いです。
もう少しいうと、自分がやっていることが他の人と違うということがわからないのです。
自分がわからないのに、親は厳しくしつけます。
確かに、一時的にはその厳しさで行動は治ったように見えます。
しかし、「なんで、俺ばっかり」と思っているのでまたやり始めます。
学校は長期的に付き合うことができないので、「しかる」ことで場を収めるしかなかなか方法はありません。
しかし、親は長期的に付き合わざる得ないのですから、方法を変えないとなりません。
子供の目線に立つ
「しかる」ことも必要なときもありますが、何度も繰り返してしまう場合は、常に子供がストレスを抱えているから繰り返しています。
そのストレスを取り除かないと改善はしないのです。
しかるのではなく、子供の目線で物事を見るようにします。
どうして、そういう行動をするのか、何を感じているのか、一緒の目線で見ます。
そして、何を望んでいるのか。
その相手の目線に立つのが得意な親と苦手な親がいますので、父親と母親がいるのであれば、どちらか得意な方が対応したらいいですし、必ずしも親でなくても、身近な大人でも問題ありません。
そこから「しつけ」ではなく、その子の強み、弱みを見つけ、進路も考えます。
そもそも、その子にとって学校は苦痛の場でしかないわけです。
(公立中学校は「普通」をおしつける社会の仕組みです)
学校に行っても、みんなの鼻つまみものになっているから面白くもありません。
家での不満も常にありますので、やり返さない相手を見つけて、暴言を吐いたり、手を出したりします。
そして、さらにみんなから嫌われるという悪循環です。
みんなから嫌われていることは本人もわかっています。それは本人だって悲しいんです。
でも、自分が何をやっているかわからないから同じことを何度もやってしまう。
子供が人の気持ちがわからないのは、親が子供の気持ちをわかろうとしていないから
特に難しいのは、母親が男の子の気持ちを理解しようとすることです。または、父親が女の子の気持ちを理解しようとすることです。
男と女は生き物として違うのは当然で、理解できないからとにかく必死に「しかる」わけです。
父親の方が、その点男の子を非常に理解しやすいということはあります。
逆に母親は女の子の気持ちはよく理解できることが多いです。
自分と似たタイプは理解しやすいという傾向はあります。
子供が人の気持ちをわからず、何度も周りに迷惑をかけてしまうのは、他人の気持ちがわからないからです。
他人の気持ちがわからないのは、ADHDやASDなどの「障害」の場合も数多くあります。
小学生以降で椅子に座っていられないというのは、普通ではないということをまず親は理解する必要があります。
障害であっても、それは特性の一つなのでダメとかイイとかいう話ではありません。
それを踏まえながら、他人に迷惑をかけないようにするには、親が子供の心をまず理解しようとする。
そして、学校で問題を起こすのは、家でのストレスを発散しているため、ということを知る必要があります。
たとえ、そうだとしても、親は子供の気持ちをわかろう、ということは大切です。
とにかく「しかる」「しつける」だけで子供を学ばせようとしても、それはうまくいきません。
まずは子供の目線に立つ。
そのうえで、伝えるべきことを伝える。
そして、本当に普通の学校が難しいようであれば、その子にあった場所を考える。
普通の学校が難しいとはいっても、勉強が出来るできないではありません。
IQ(知能指数)は普通なので成績は良かったとしても、EQ(心の知能指数)が低いために、学校といった特殊な集団では過ごすのが難しい場合もあります。
多くの場合、ユニークな才能を持っている
そういった子供は多くの場合、非常にユニークな才能を持っていることが多いです。
ある分野にだけは、非常に興味を示して詳しいなどですね。
そのある分野というのが学校の科目の場合もあれば、まったくそういうのとは異なる場合もあります。
それならば、別に学校のような特殊な環境におくことだけが必ずしもいいとは限りません。
中学は行っても行かなくてもいいのですが、高校は通信制にするなどその子にあった環境を用意することです。
必要であれば、そこから大学に行くこともできます。
EQが低いと、少し大学は苦労をするかもしれませんが、高校までと異なり、かなり自由が認められ、親のストレスを受けることもないので、問題を起こしにくくなる可能性はあります。
別にEQが低くても活躍できる場は多くあります。
それを無理やりしつけよう、とするから今度は学校で問題を起こすわけです。
悪循環になってしまっています。