ある中学2年生の女の子の話です。
お母さんが塾に駆け込んできました。
前期中間(1学期)テストの結果で数学7点でした。
後期中間(2学期)テストで60点台になり、後期期末(3学期)で87点になり成績も2から4になりました。
学校の先生も大変驚いたようで「変なキノコでも食べたのか??」と言われたと喜んで伝えてくれました。
(私がその子に渡していた塾のテキストを学校の先生がコピーさせてほしいといってもっていったそうですが、ポイントは問題集じゃないんですけどね。教え方なんですが、熱心な先生だなと思います)
この子は数学に自信を持ち、その後、理系の大学に進みました。
今回の例として、中2の前期の試験が終わり、中2の後期の試験に向けた場合の対策例を書きます。
その子がどの程度の理解するスピードがあり、また間違っている箇所や抜けている箇所にもよりますが、今回は、公立中の平均点を目指すという目標でお話をします。
夏休みに勉強をする範囲と言えます。実際、この子の例も夏休みにほぼ毎日塾に来てもらって練習をしました。
なお、参考までに中3の場合も少し補足を入れます。
計算方法を間違って覚えている
中学生の前期(1学期)のテストで一桁になるということは、中学1年生の部分はもちろん、小学生の部分から戻る必要があります。ただ、小5、小6の範囲を全部行う必要などは全くありません。中学の勉強に追いつけるようにするための箇所を限定して書いていきます。
タイトルに書きましたが、多くの計算方法を間違って「覚えている」ということは、「正しく覚えてもらう」ことで点数はあがります。
わからないから、自分なりにとても複雑なルールをつくっていたり、誰かに教わったことを間違って覚えていたりします。
小学生の範囲で復習する箇所は四則演算、分数、小数の計算だけ
小学生の範囲でおさえなければならない範囲というのがあります。
四則演算というのは、
- 足し算
- 引き算
- かけ算
- 割り算
まず、これを小数、分数も含めてできるようにします。(文章題は不要です)
それができるようになったら、中1の範囲です。
中1の範囲で復習する箇所は正負の数と方程式、比例反比例だけ
中学1年生で何が何でも身につけないと、中学すべての問題でつまづくことになるのが、方程式です。
あと、比例反比例もできないと、中2の一次関数、中3の二次関数と続くのでそこもおさえる必要があります。
- 正負の数の計算(カッコつきの計算も)
- 方程式の計算(小数、分数、比例式も)
- 比例反比例(グラフを描ける、グラフを読める)
※文章題は不要(そこまでやると最初の60点に追いつくまで時間がかかるので。時間が本当にあるのであれば、文章題も可能ですが、それは計算ができるようになってからが重要です)
正負の数の扱いが最初はなかなか苦戦するかもしれません。正負の数の計算ができないと方程式も解けなくなります。方程式が解けないと、中学のほぼすべての単元ができなくなってしまいますので、方程式の計算問題までは確実にできるようにします。
基本的には計算を解いてもらって、間違っていたらその箇所を解きなおす、ということを繰り返します。
グラフを描けるというのは、その名の通り、与えられた条件から比例と反比例のグラフを描くことができればいいです。
グラフを読めるというのは、描いてあるグラフから、グラフの式(y=)に直すことができるようになることです。
中2の前期(1学期)で復習する範囲は連立方程式、一次関数、それと一部の文章題
※中3の場合は、中2の図形の証明と、場合の数と確率をさらに入れる必要があります。
中2の後期(2学期)の試験に向けて夏休みに頑張る場合は、タイトルにいれた場所だけで大丈夫です。
- 連立方程式(分数、小数、一部の文章題)
- 一次関数(グラフを描く、グラフを読む、一部の文章題)
これまでは文章題を入れてきませんでしたが、後期の試験に向けて対策する場合は文章題も一部練習する必要があります。
中学で出てくる方程式の文章題には全部で3つのケースがあります。そのうちの「個数に関わる問題」だけ練習します。
方程式の文章題の3つのケース
方程式の文章題のケースとは大きくわけて、次の3つのケースになります。
- 個数に関わる問題(鉛筆が〇本、ノートが〇冊で鉛筆の金額が・・・など)
- 速さや道のりに関わる問題
- 割合に関わる問題(食塩水の濃度や、何割引きなどの問題)
平均点を目指すというところであれば、一番最初の「個数に関わる問題」までできる必要があります。
本当は「速さ」に関わる問題までできるといいのですが、その子によっては、「速さ」が関わると本当に全くできなくなってしまう子もいるので、それは場合に合わせてです。「速さ」も抵抗なくできる子であれば、速さも教えてあげるといいです。
今回のように、小学生、中1、中2の前期の復習と行いますが、それができたのであれば、試験範囲の部分の勉強が当然大事です。
誰が教えるのかが難しい
今回書いたことを、夏休みの1か月だけで行いましたが、毎日数時間かかりっきりでした。
親が子供に教えることができるのであれば、それも一つの方法です。
ただ、親や子供が怒り出してしまってできない場合は、ベテランの家庭教師などでしょうか・・。
個別指導の講師の多くが大学生なので、大学生は自分ができていたことを教えようとしてしまい、結局消化不良になって何も覚えないということもありえます・・。
個別指導の講師でも、小中高と学ぶ全範囲をわかっていて、一桁の点数の子の教えた方がわかるベテラン講師であればもちろん教えられると思います。
一桁の点数の子を60点にするのと、60点の子を80点にするのは勉強方法が違う
今回は一桁の子を平均点まで上げるということでお伝えしました。
一桁の子を60点にするのと、60点の子を80点にするのでは勉強方法が違います。
何が違うかと言えば、一桁の点数の子には「教えない箇所」があるという点です。
一言で言えば、難しい問題はやらなくていいということです。
平均点が取れている子であれば、通常は試験範囲にある問題のタイプすべてを行うことはできるでしょう。
その「難しい問題」というのが、子供たちにとっては、「速さ」や「割合」になります。
学校の授業を聞いていてわかる、平均点はとれるような子であれば、「速さ」や「割合」の問題を教えても大丈夫でしょう。
80点以上をとっていく場合は、他のページに少し書いていますが、正答率と回答率がかかわってきます。
数を本当に扱えない子もいる
非常に少ないケースではありましたが、「数」自体を扱うことが困難だった子もいます。
最初に書いたように、「間違って覚えている」子であれば、「正しく覚えて」もらうことで点数はあげやすいです。
しかし、数学という科目自体が、概念的で目に見えないために本当にうまく扱えない子もいます。
比率的にはかなり少ないケースではありました。
また、机にそもそも、向かうことができない子もいます。
いくら、「こうやればいい」といっても子供自身も、「よし、やろう」と思えないとできないわけです。