親の対応

親は子供の勉強(習い事)を教えない方がいいけど・・

学習塾を11年にわたり、経営していた経験から言うと、一般的には親は子供の勉強(習い事)はみない方がいいです。

その理由についてお話いたします。
ただ、課題など単発のものは手伝ってあげて問題ないです。
ここで言うのは毎日の勉強についてです。

勉強の内容が問題ではなく、怒ってしまうことが問題(期待しているから)

小学生でも、中学生でも高校生でもいいのですが、親が勉強が得意だったりすると、大体見ることができる、というケースもよくあると思います。
特に中学生までであれば、どの科目でも解答があれば教えることができると思っている方が多いのではないでしょうか。

恐らく、自分の子供以外であれば、教えることができると思います。

「自分の子供」が勉強(もしくは習い事)にとても前向きであれば問題なく教えることはできるでしょう。
ただ、その子供が「やりたくない」と思っていると、親とみている方向が違いますので、ぶつかってしまいます。

何より、「自分の子供」にだけは、できないことがあったりすると、「怒り出してしまう」親がとても多いのです。
この「怒り出してしまう」というところが原因で、塾や家庭教師にお願いするというケースがとても多かったです。

そもそも、子供の勉強を親が見ようなどと思う場合は、それは親がとても熱心な人です。
普通は、わざわざ見ようなんて思いません。

親が熱心だとしても、子供はあさっての方向を向いていたら、何度も同じ間違いもするでしょうし、それを見て親は怒ってしまうのです。
特に親がその分野について、自信があるとなおさら「腹立たしく」感じてしまうのでしょう。
「自分の子供」ができないことに「腹立たしく」感じるのです。
もちろん、それは期待の裏返しではあるのですが。

勉強に限らず、芸術系などでも親が何らかのプロの先生だとしても、自分の子供は他の先生に見てもらう、というケースも多いですが、そういう側面もあるのでしょう。

親が教えても大丈夫なケースは、その習い事に前向きな子と、親が性格的に怒ることが全くない人の時

上に書いたように、子供が勉強に前向きな場合は親が教えることができる場合もあります。
これは、勉強に限らず、スポーツなどでもです。より、高いレベルを目指す子供と、それを教えられる親であればうまくいきます。
ただ、このケースは殆どありません。

子供が勉強に前向きであれば、そもそも親が子供の勉強を見る必要もないからです。

親が子供の勉強を見るというケースは、たいていの場合、子供が勉強に全く興味がないから、親がなんとかしようと思ってみるケースが大半です。

もう一つ、親が子供に勉強を教えても大丈夫なケースは、教える親が、「誰に対しても怒らない」人の場合です。
これは、ほとんどいません。
学校の先生や塾の先生などでも、まず見ることはありません。
大抵の場合、何度も同じことを教えていると怒り出す人が多いのです。

また、性格が穏やかな人でも、他人の子供には怒らないで教えられるのに、なぜか自分の子供になると怒り出すということが多いです。

これは、「自分の子供」だからこそ起きてしまうことなのです。
おそらく、「自分の子供」だからこそ、「できて欲しい」という期待があるからでしょう。

ごくまれに、「どんな時にも怒ることがない」という人で「教えるのが好きな人」というのがいます。
親がそういう人であれば、教えてもいいと思います。

それ以外のケースは、ほとんどの場合、親子関係が悪くなってしまうでしょう。

勉強は塾か家庭教師にお願いし、親は子供の興味のあることを体験させる

そういうところで、塾か家庭教師に勉強を教えてもらうのが一番いいです。
家庭教師よりも個別指導のほうが安く済みますし、友達が通っているなどがあったりして行きやすいかもしれません。

もしくは集団授業のほうがいい場合もありますが、それは子供のタイプによって異なります。
一般的に集団授業についていけるのであれば、集団授業がいいですが、それについていけないような場合は、個別指導にせざる得ないかもしれません。
集団についていくのが難しい場合は、理想は集団授業+個別指導(または家庭教師)です。

では、親は何をするかといえば、子供の適性を見たり、または子供が行きたいというところに連れていったりしながら環境を用意することです。(例えば、ある分野に興味があるといった場合)
その中で、子供が勉強をした方がいいな、と感じたらやりはじめることもあります。

特に勉強をしない、というのであれば、それはそれです。
親の想いを子供にぶつけないことです。

子供を信じ、必要な環境を用意する。
それが、親のできることです。

子供は、親の子供ではありますが、全くの他人です。

番外:親がスケジュール管理をするだけならうまくいかせる方法はある→ただし、大事なことは勉強そのものを教えないこと

ここまで、親は子供の勉強を見ない方がいいとは言いました。
勉強自体は見ない方が普通はいいです。

しかし、勉強のスケジュール管理をするだけなら、実は案外うまくいくケースもあります。
直接教えるからぶつかるわけです。

スケジュールを立てる方法だけ教えて、進んでいるかどうかだけのチェックをすることに徹するようにします。

スケジュールの立て方は、次のように教えます。

基本的な考え方は、
(全体量)÷(残りの日数)=(1日あたりの勉強量)
です。

ただ、実際は塾に通っていたり、部活があったりして1日に使える時間は均等ではないと思います。
その場合は、次のように計画を立てます。

  1. 科目ごとに全体量(ワークのページ数など)を洗い出し、それを全科目分合計する
  2. カレンダーに、試験までの1日に使える勉強時間を日ごとに記入してそれを合計する
  3. 全科目合計÷勉強時間=1時間あたりに進める量(ページ)の目安をだす
  4. その出たページ数に合わせて、1日ごとに進める必要のあるページ数を出す

少しわかりやすくするために具体的な数字を入れてみます。

  1. 仮に5科目の試験で、全部で180ページ進める必要があるとわかったとします
  2. 残りの日数における、勉強に使える時間が90時間あったとします。
  3. 180÷90=2ページ つまり、1時間あたり2ページは終えなければならないことになります。
  4. 例えば、ある日が3時間あったとすると、3×2=6 で6ページその日は終える必要があります。
    ある日は。1時間あったとすると、2ページ進める必要があることになります。

このような形で、きっちり終わるようにします。
ただ、実際は、2周、3周する必要がありますので、残りの日数ぎりぎりまでを2の数には入れない方がいいです。少なくとも、4,5日は残るように設計したほうがいいです。

このようにスケジュールの進め方を伝えて、どこまで進んでいるのかをチェックをするようにします。
親が横についているのではなく、目に見える範囲にいるくらいでもいいでしょう。

スマホは、遊んでしまうので、

50分勉強、10分休憩、50分勉強、10分休憩・・・

の10分休憩のときだけ使えるようにします。

子供が自分の部屋でやるならば、スマホはリビングに置くなり、部屋の扉は開けたままにしてもらうなり目につくようにはしておいた方がいいでしょう。

こんな感じで、勉強をするスタイル、スケジュールの組み方を教えるというところだけでも、結構、計画的に勉強もできて、今まで点数がとれなかった子でもとりやすくはなります。

ただ、本当に机にも向かえない子は、難しいです。

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